ニックスで重なることの意味
これに関しては前に大分書いたのですが、もう一度書いておきます。私の場合やたらとニックスにこだわって、書いています。ニックスというのは、私の言葉の使い方では、同じグループ同しの血統が父系と母系で重なった場合を言います。ただ、ニックスという言葉の使い方というのは、難しいようで、相性というふうに書いてある場合が私がネットで検索する限り、多かったように思います。それでも、ゲームなどでは、私が使っているように使うというので、それならということで、父系と母系の血統をニックスといっています。それなので、相性ではありません。では、なぜそのニックスが大切なのかという話なのですが、これも前に書いたのですが、弱者が勝者になるための作戦のようなものであったのではないのかということです。元々は、エクリプス系というのは、ヘロド系に押されていました。エクリプス系とは言いますが、エクリプスの頃は、圧倒的にヘロド系の方が強う勝ったのです。もしかしたら、エクリプスは、一度もリーディングサイアーをとったことがなかったかもしれません。定かではない記憶では、エクリプスの方がヘロドよりも少し若かったような気がします。今他で見てきましたが、6歳下ですね。だから、エクリプスのリーディングサイアーを阻止していたのは、ヘロドでした。おそらく、ヘロドが先に死んだとするなら、子供がそれに代わったんでしょうね。ということで、その近辺では、30年に渡って、ヘロド、ハイフライヤー、サーピーターティーズルの3頭で、リーディングサイアーの地位をほぼ独占しました。それ以降も当分の間は、ヘロド系が優位性を保った状況でした。ただ、血統というのは、一つだけでは成り立ちません。近親交配にも限界がある以上、少なくとも4つぐらいの血統は、必要なはずです。現在はどうかというと、ノーザンダンサー、ミスタープロスペクター、ナスルーラ、ヘイルトゥリーズンと後は、マイナー血統がいくつもあるという具合ではないでしょうか。これは、近親交配に限界がある以上は、当然これぐらいの血統は必要になるのです。ヘロド系は、ほぼ50年に渡って優位性をリーディングサイアーを見る限りでは保っていました。しかし、それでも主流血統になれなかったわけですが、それはそもそもがいくつも血統というのは必要で、完全に主流血統になるためには、50年を越える中での戦いで勝ち抜かないといけないということだと思います。そうだとするなら、とにかく3つ、4つのグループになることが一番大切なんでしょうね。その中で、長い間戦い抜いていくと言うことのように思います。だから、表面的には、圧倒的にヘロド系は強かったわけですが、しかし、血統構成上他の血統も必要なのですから、他がいなくなるわけではありません。では、どうすれば覇権というのはとれるのかというと、グループが広がることが重要なのです。これはばかげた話かもしれませんが、必ずしも、強いこととグループが拡大することは、単純には同一ではありません。例えば、日本でもサンデーサイレンスは強かったですが、しかし、リーディングでは常にトップでも、未だに割合から言ったら、3割にいくかいかないかだと思います。ということはどういうことかというと、実際はサンデーサイレンスが生きていた頃は、まだ割合から言ったら大したことがなかったし、それでもリーディングサイアーは、サンデーサイレンス系が独占していたということです。だとするなら、当時もリーディングでは常に上位ではあったのに、割合で圧倒できなかったという可能性があります。ヘロド系の特徴というと、ヘロド、ハイフライヤー、サーピーターティーズルとリーディングをとりましたが、これらは、みんな直系です。ヘロドの子供がハイフライヤーで、ハイフライヤーの子供がサーピーターティーズルです。ちなみに、今残っているトウルビヨン系は、この血統ではありません。この血統は、早々と廃れています。おそらくですが、このリーディングの取り方だと、グループの割合そのものがそれほど増えなかったんじゃないでしょうか。それがこの血統が廃れていく原因だったのではないかと思うのですが、では一方では、主流血統になったエクリプスというのは、どうだったかというと、一つの血統が常に別れていくというパターンになっています。これが弱者が強者に勝つための方法だったのではないかということなのですが、それはどういうことかというと、ヘロドに押されていたエクリプス系がなんとか自分の血統を残すための方法として、もちろんこれは遺伝子レベルの話でそこに明確な意図はないかも知れませんが、なんとか二つに別れることによって、一つでも何とか残そうとしたのではないのかと思うのです。一つが駄目でも、何とかもう一つと、やむ負えずの作戦だったのではないかと思うのですが、それが結果的には、功を奏したのではないでしょうか。なんとか、ヘロドの攻勢をしのいでいるうちに、結果的には、それこそがグループを拡大する最良の方法であったというのは、その後のことだったのではないかと思います。グループが二つに別れることによって、それを何度か繰り返しているうちに、数的にも結果的には膨大になります。おそらく、それこそが今現在の覇権をとるという意味と考えていいと思います。では、ニックスとは何かと言うことになりますが、これは難しいです。例えば、単純に覇権をとることと言うのは、二つに別れることを繰り返していればいいわけですから、そこから覇権をとるグループがたまたまでるというふうにも考えられます。しかし、ほんとうにそれだけでしょうか。それではなくて、二つにどんどん別れていってもほとんどの血統がつぶれるわけですが、もし仮につぶれていく側の論理として、自分の血統をそこに残したいという力がはたらくとしたらどうでしょうか。それも、他のグループではなく、自分に近いグループを応援しようとするとしたらどうでしょうか。こうなると、かなり人間に感覚が近くなってしまうかもしれませんが、しかし、それは動物として、種を保存していく上では、当然の論理である可能性もあります。人間は、自分だけではなく、一族をよりどころにしてきた歴史というのはあります。今でも、国家をどうするという話をしますが、それだって似たようなものです。私たちがアメリカを本気で心配するでしょうか。もし心配するとしたら、個人的に思い入れがあるとか、そういったもののはずです。やはり私たちは、日本を心配するのであって、それが種の保存の論理に関わりがあるとするなら、血統でもそう言ったことがあってもおかしくはありません。私が言っているニックスというのは、おそらくこういった意味合いのものです。本来は、自分が主流として残りたいのだが、そうならないときには、グループを応援する形で、そこに自らの血を残していくという意志のようなものが、ニックスの効果なのではないかと思います。言い換えれば、主流になれないなら、母系に入ってでも自分の血を残そうとするんでしょうね。それと、もう一つそう考えるなら、言えることがあると思います。それは、グループが別れていく段階で、強弱というのはあります。自分の血が濃い薄いと言うことですが、同じグループでも、そのグループが覇権をとれば、またその中で覇権争いは起きます。その場合、自分に近い側につくと、私は思います。人間でもそうでない場合もありますが、しかし、人間でも普通はそうです。エクリプス系で言うなら、セントサイモンとストックウェルとハンプトン系で覇権を争いましたが、ここにその理屈を当てはめるなら、ストックウェルとハンプトンが近い関係になります。セントサイモンと、この二つのグループは、かなり前に別れています。セントサイモンの悲劇というのがありますが、私は、ニックスでの重なりがいびつだと言うことも書きましたが、それだけではなくて、こういったものもその理由ではないかと書いてきました。もし、セントサイモン対ストックウェル、ハンプトンという構図であったとするなら、セントサイモンが負けてもおかしくはありません。これは、例えば今で言ったら、ネアルコ系なのか、ミスタープロスペクター系なのかというのにも当てはまります。このあたりがどうなるのかというのは、ここではおいておきますが、ここに書いたことが私がニックスと書いている意味です。それでは、インブリードとは何かというのがありますが、それは、ニックスのサブのように考えています。血統というのは、廃れていく血統というのは必ずあって、そうなった場合、とりあえずニックス、それがだめならインブリードと言う形で、自分の血を、強く残そうとするのではないのかと思います。それと、エクリプス系も初期の段階では、違う血統が3度かそれ以上はいっていることもありますね。ただ、これは例外とできるかどうか分かりませんが、草創期であるということと、そこには論理というのはあるでしょう。ヘロド系が支配した論理の中でのことです。あくまで今日の話は、ニックスで重なるようになってからの話と言うことにさせてください。そうすれば、草創期の頃のこの血統の論理の違いというのは説明できるんじゃないでしょうか。となると、違う論理がそこにあれば、また新たな展開もあるということにもなりますが、しかし、30代にも渡って、血統が続いてきたという事実もあります。今の理屈が覆るほどのものがあるかどうかというのはどうなんでしょうか。
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