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血統

最後に

血統に関してずっと書いてきましたが、一応これで終わることにします。半年近く書いてきました。ひどい文章で読みずらかったと思いますが、こんなの読む人はほとんどいないので問題もないでしょう。私が書きたかったのは大きく分けると2点です。1つめが、主流血統がニックスで重なっていることです。主流血統はどんどん2つに別れていきます。そしてその別れていった血統とニックスで重なるのが特徴になっているのです。これに関しては血統表を見てもらえれば必ず納得してもらえるはずです。それともう1つが牝系にも覇権争いがあるということです。ファミリーナンバーは普通重要視されないのですが、牝系にも覇権争いがあるとなると見方は変わってくるのではないでしょうか。個人的には自信のある理論を書き連ねました。できれば生産者の方に一度読んでもらいたいと思い書いたのですが、何らかの足しになればうれしいです。

それとここまでに書ききれなかったものはリーディングサイアーのほうに書きます。

血統構成

スピード血統とスタミナ血統がなんなのかというのはなかなか難しい。遅筋や速筋だけで単純に説明できる物でもないと思う。テシオは何代か前までに必ずスピード血統の馬がいる(どっかのサイとで読んだだけだが)と言っていた。ただ私が見た限りではスプリント血統と言われる物はだいたいつぶれていっています。ヘロド系やザボス系、フェアウェイなんかもつぶれています。2000ギニー血統よりもダービー血統のほうが残ってきたのは間違いありません。

それでもファラリスやザテトラークのように、スプリンターの血が必要なのも確かなのです。ザテトラークが恐ろしい相性を示したのはネアルコだけではありません。ミスタープロスペクターにも実はそれまで入っていなかったザテトラークが母の父だけでなく、母の母にも入っているのです。でもなぜここまでファラリスやザテトラークのようなスプリンターの血が豊富に入りすぎるくらい入っているにもかかわらず、これらの血統はつぶれるのではなく、進化し続けているのでしょうか。

それは必ずしもファラリスやザテトラークの血統そのものがスプリント血統ではないからだと思います。この2頭は確かにスプリンターではあるのですが、特にザテトラークの父親なんかは長距離血統で、ザテトラーク自身もセントレジャー馬を2頭か3頭出していて、単順にスプリント血統とは言えません。この2頭は派生として生まれたスプリンター(潜在的には長距離血統の力も持ち合わせている)と考えるべきなんだと思います。隔世遺伝の中から生まれたスプリンターと言いかえることも出きるかもしれません。どの血統にもだいたいスプリンターはいますから(そういった血統しか残っていないだけなのかもしれない)その血がたまたま出てきただけで、血統自体がスプリント血統になっているわけではないのだと思います。

まあ、これに近いことは今までにも書いてはきているのですが、現在の血統を分析していく場合これは最も重要だと言うことに気がつきました。

歴史的に見るとやはりダービー血統が主流血統になっているのは間違いありません。しかし20世紀になって競馬もスピード競馬が主流になり(レース構成が変わってきたのも大きいと思われる。長距離レースの重要性はどんどん失われてきた。)、スプリント力がそれまで以上に要求されるようになったためにファラリスやザテトラークのような馬が主流血統を成すようになったのだと思います。これらから生まれる血統はクラシックディスタンスを十分にこなす事が出きる快速馬として活躍することができるのです。

それではサンデーサイレンスの血統を見てみたいと思います。サンデーサイレンスは前にも書きましたが、とにかくザテトラークの影響が強い馬です。まずマムタズビガムを通して、ロイヤルチャージャーが出ています。さらにマーマハルからヘイローが出ています。そしてこれはヘイロー系の特徴なのですが、母系にマームードのインブリードが入っています。サンデーサイレンスの場合は更に母の母にもザテトラークは入っています(ただこれはどの程度効いているかは分らない)。

ロイヤルチャージャーやターントゥ、ヘイルトゥリーズンはどちらかというとスプリンターのような気がします。これはマムタズマハルの影響なのではないでしょうか。特にヘイルトゥリーズンは一流(生粋)のスプリンターでした。それでも産駒のヘイロー(ニックスでファラリスの6×4)やロベルトはクラシックディスタンスで活躍していますからヘイルトゥリーズンも派生として生まれたスプリンターと考えていいと思います。サンデーサイレンスもクラシックディスタンスで活躍した馬です。母系には更にザテトラークが入っていますから見た目以上に快速の血は流れています。おそろしい切れ味もこの辺に理由がありそうです。

次にノーザンダンサーを見てみたいと思います。まずファラリスの4×6でニックスで重なっていますね。ここが一番この血統ではスピードを感じさせるところでしょうか。更にマーマハルを通しています。ただサンデーサイレンスに比べるとスピード血統馬の割合は少ないと思います。

ナスルーラはマムタズビガムの子供です。マムタズマハルの母系にはサンドリッジが入っているのですね。サンドリッジは名スプリンターです。どうりでマムタズマハルは凄いわけです。単純にナスルーラとサンデーサイレンスを比較するのは時代が違いすぎる気がします。ただロイヤルチャージャーやターントゥにはサンドリッジがいっぱい入っていますね。それを考えるとスピード血統の割合はサンデーサイレンスの方がやはり上でしょう。ネアルコ系の中ではサンデーサイレンスが一番潜在的にはスプリント力を持った血統かもしれません。

それとミスタープロスペクターを見ておきます。ミスタープロスペクターはニックスでファラリスの6×6になっています。それと母系には母の父、母の母両方にザテトラークが入っているのですが、サンドリッジも両方に入っています。これはサンデーサイレンスに匹敵するぐらい入っていると考えていいのではないでしょうか。ミスタープロスペクター自身もスプリンターでした。産駒はクラシックディスタンスで活躍しましたからスプリンター血統というよりは派生として生まれたスプリンターと考えていいと思います。ただこの血統はニックスの重なりに疑問のある血統ですから、それに関してはやはり問題を抱えていると考えます。

覇権争いをしている血統を見たのですが、細かいところまで見たとは思っていません。もし問題があればまた後で書き加えます。それとサンデーサイレンスやミスタープロスペクターのようにスプリンターの割合が多いからといって覇権をとれるとは限りません。ある程度まではノーザンダンサーにも入っていますし、デインヒルのような種馬も出ていますから単純には言えないと思います。ただある程度スピード血統の割合が必要なのも間違いありませんから、どの程度必要なのかを見極めたいです。

ファミリーナンバーの総括

結局覇権争いをしそうなのは、1号族、2号族、3号族、4号族ですね。逆転可能なところまで上げるとするならば、5号族と12号族でしょうか。ただ質の高さとグループの大きさを考えると、よほどのことがない限り逆転は難しいかと思います。では1~4のグループでどこが覇権をとるのかといわれれば私はやはり3号族かと思います。ピクニック、マヨネーズ親子とラフレッチェ姉妹のインパクトはかなりのものがありました。質の高さではよそには負けないのではないかと思います。名牝探しをしましたが、ここ以上のグループはありませんでした。それ以外では2号族、7号族、8号族、16号族のグループが質、量ともに際立ったいると思いました。順番をつけるとしたらその次が4号族のグループでその次が1号族になります。でもこの4つのグループはどこが覇権を取ってもおかしくありません。それも何百年後かの話ですからまだまだ予想に過ぎません。見てきて思ったのはグループの大きさや質の高さはもうある程度はっきりしていたことです。覇権を取れる可能性のあるグループはもうすでに、5、6個しかないことが分かりました。日本に関しては最大の牝系といってもいいフローリスカップがこれから世界に通用する競走馬をどんどん出してきそうです。ピクニック、マヨネーズ親子からの血統でシラオキやガーネットを通してさらに広がりを見せようとしています。日本牝系が輸入牝馬を上回るときがきたのかもしれません。

それ以外のファミリーナンバー

大きなグループはだいたい書いたので、14号族からは活躍種牡馬だけ書いておきます。それと16号族は2号族と同じミトコンドリアDNAを持っているようです。もう少し早く気が付けば2号族に加えて書いたのですが、見落としてしまいました。ここには一応20号族まで書いておきます。しかしそれ以降にも優秀な種牡馬はたくさんいます。ただ覇権争いとはおそらく無関係なので書かなくても良いかなと思いました。

■14号族

トランペーター、バッカニア、プリンスジョン、ニアークティック、ノーザンテースト、ファンタスティックライト、インヴァソール、タッチストン、マカロニ、ポリネシアン、コマンダーインチーフ、マヤノトップガン。

■15号族

現在活躍している血統ではありません。知っている名前の馬がいませんでした。

■16号族

ケンダル、ザビール、クレペロ、ディクタス、マンハッタンカフェ、デズモンド、ヒシミラクル(ヘレンサーフ、1903年に日本に輸入されました)、ホーリーブル、オーモンド、インファチュエイション、ホワイトマズル、サザンヘイロー、ミスワキ、ゼンノエルシド、オジジアン、オナーアンドグローリー、ファピアノ、クワイアットアメリカン、サーギャラハッド、サンクタス、ボワルセル、バーラム。ここは2号族と同じだけあってかなりのものです。伸びが違います。それとヘレンサーフという日本牝系があります。いまでも重賞勝ちの馬をいっぱい出していますから、名馬を出してきてもおかしくありません。

■17号族

パンタルーン、リファール。

■18号族

ワクシィ、ナリタトップロード。

■19号族

アイソノミー、ネヴァーベンド、トウカイテイオー、コリン、トニービン、トラセリー、ヴェディット、ガリニュール。

■20号族

ブルーピーター、ファリス、スルーシティスルー、キングマンボ。

ファミリーナンバー12 (12号族)

12号族は9号族の一部と同じミトコンドリアDNAを持っています。すべて9号族のベイボルトンメアにたどり着くようです。代表種牡馬を書いておきます。12号族、スターリング、レキシントン、ロベルト、スプリングフィールド、コマンド、コックスリッジ、シングスピール、デビルズバッグ、セイントバラード、グラスワンダー、エクリプス、オックスフォード、ビューチフルドリーマーの牝系などです。9号族で12号族と同じミトコンドリアDNAを持つもの、マーキュリー、ダークロナルド、アリダー、グランドスラム、フェアトライアル、チューダーミンストレル、マームード、タニノギムレット、ナスルーラ、ロイヤルチャージャー、オクタゴナル、カラムーンなどです。覇権争いに絡んでもおかしくないとは思いますが、このまま埋もれていってもおかしくはありません。名牝といえばマムタズマハル(9号族の方)がふさわしいかもしれません。ザテトラーク産駒の名スプリンターです。ただ牝系を広げたというよりはネアルコとの相性で現在の主流血統を築き上げる役割を果たしたといったほうが良いかもしれません。12号族のほうは名牝から広がっているようには見えません。ここにはビューチフルドリーマーという日本牝系の馬がいて、多くのG1馬や重賞勝ち馬を出してきました。エルプス、テイエムオーシャン、シンザン、タレンティッドガールなどです。世界に通用する馬はまだ出ていませんが、これから出てくる可能性はかなり高いと思います。

ファミリーナンバー10 (10号族)

10号族の代表種牡馬を書いておきます。ハンプトン、ブレアソール、リヴァーマン、ロックオブジブラルタル、デピュティミニスター、ベイヤード、オーウェンチューダー、プリンスローズ、エリシオ、ブラックトニー、ハイエスとオナー、ヴァイスリージェント、アルカセット、ホーリングなどです。レベルは高いとは思いますが、この程度では覇権争いに加わることは難しいのではないでしょうか。日本関連で言うと、ディヴォーニアという牝系がありました。フレッシュボイスやメジロドーベルが出ている血統なのですが、現在はそれほど活躍馬を出していないようでした。おそらく輸入による牝系の入れ替えなんかが盛んになり活躍の場を日本牝系が失うことが多くなっているためなのかと思われます。しかしこれほど残念なことはありません。個人的には前にも書きましたが、日本においては日本牝系の方が優れている面が多いと思うからです。ネアルコはアメリカ牝系で産駒がアメリカで爆発的に後継を伸ばしたのとは何らかの関係があると考えています。それだけではなく、実際現在のアメリカ血統の牝系はアメリカ牝系が多いのです。そういったことを考えると輸入牝馬だけに頼り、日本牝系を捨てていくのには疑問を感じます。常に新しい血は必要ですから、輸入牝馬も大切だとは思います。それもレベルの高いものが必要でしょう。ただバランスを考えて日本牝系も大切にしてほしいのです。もう少しだけ我慢しておけばディヴォーニアの血統も結果を残せたかもしれません。こういった牝系がファミリーナンバーを見ていていっぱいあったのは残念でした。

ファミリーナンバー9 (9号族)

9号族の場合、ある部分が12号族と同じミトコンドリアDNAを持っています。その部分に関しては12号族の方に書きたいと思います。それでは9号族の代表種牡馬を書いておきます。イエローゴッド、トムロルフ、アクアク、ゴールドアリュール、ガリレオ、シーズティジー、ソヴィエトスター、アドマイヤマックス、アドマイヤべガ、アドマイヤドン、トリッピ、ブルリー、サンアゲイン、シリーン、ザフォニック、ローエングリン、デイラミ、ダラカニ、インザウイングスなどです。この程度では覇権争いに絡むのは難しいのではないでしょうか。名牝探しも難しい。競走馬として優秀な馬はたくさんいるのですが、名牝から広がっているようには見えません。

9号族はMaid of Masham 1845  からです。Bay Bolton Mare 1728の方は12号族になります。

ファミリーナンバー6 (6号族)

6号族の代表種牡馬を書いておきます。フライングチルダーズ、バトレットチルダ―ズ、ケイド、キングファーガス、ソーセラー、ファントム、プライアム、ツルマルボーイ、ダイオメド、グレイソブリン、アグネスワールド、レッドランサム、テネラニ、リナミックス、シックル、ファラモンド、ハイペリオン、サートリストラム、ハーツクライなどです。古い時代にはかなりの大物がそろっていますが、現在出ている馬には物足りなさを感じます。この程度では覇権争いに残ることは難しいと思います。名牝から広がっていえるところがあるようには見えません。ヤングジャイアンテスという馬からの広がりはそれに近いかもしれません。近親にダービー馬やオークス馬がいて、産駒や孫にも優秀な競走馬がたくさんいます。ここにはエスサーディー(1902)という日本に輸入された牝馬がいて、そこから牝系が広がっています。ツルマルボーイやネーハイシーザー、メイセイオペラ、ライブリマウント、ユキノビジンなどがいます。今まではたいしたことないですがこれから広がる可能性はあると思います。

ファミリーナンバー5 (5号族)

5号族の活躍種牡馬を書いておきます。ジエンペラー、シャーペンアップ、ジェベル、インテンショナリ、フロリゼル、プリーザントコロニー、ネイティヴダンサー、ブラックホーク、アフリートアレックス、マルゼンスキー、ケーニヒシュトゥール、テレグノシス、サドラーズウェルズ、フェアリーキング、ヌレイエフ、エルコンドルパサー、ベニングブロー、ドンカスター、ハンプトン、サニングデール、シルバーシャーク、ハーミット、サンインロー、シーキングザゴールド、それとスイープトウショウもこのグループにはいっていて、かなり早くに日本に輸入された血統から出ています。セヴァイン(1921)というパーシモン系の輸入牝馬から続いている牝系です。ただこの牝系はスイープトウショウ以外はたいした馬を出していません。それでもマイアミというオークス馬から広がった血統なので、それなりのところから出ているといえると思います。5号族はかなりボリューム感のある馬が多くいるので、覇権争いに絡んできてもおかしくはないと思います。しかしグループとしてはそれほど大きくないので、埋もれていく可能性もかなりあります。名牝を探すと、先ほどのマイアミとヨークシャーオークス馬のダルマリーぐらいですね。ダルマリーからはエルコンドルパサーやサドラーズウェルズ、フェアリーキングが出ています。ただ名牝から広がっているというほど大きなグループを形成しているわけではないので、3号族のマヨネーズやラフレッチェに比べるとかなり物足りません。

ファミリーナンバー13 (13号族)

4号族と11号族と同じミトコンドリアDNAを持っています。代表種牡馬を書いておきます。ハイフライヤー、ファロス、ファエアウェイ、オペラハウス、オーランド、トウルビヨン、シアトルスルー、ミスタープロスペクターなどです。大きなグループではありませんがボリューム感はあります。メンディカントから広がるグループが13号族の中心になっています。メンディカントは英1000ギニーとオークスに勝った馬です。名牝といっていい馬だと思います。4、11、13号族が3つ4つのグループに残る可能性は高いと思いますが、物足りなさも感じました。

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